遊笑楽宴
2年B組物語
問題二
C組軍団による賭け
第二節 作戦立て
昨日はちゃんと時計をセットし、晩飯も食って朝ごはんの用意もしてあったが、明日の事が気になって全然眠れなかったぜ!
睡眠時間約3時間・・・正直キツイぜ・・・それでも俺はハイパーだから、待ち合わせの10時10分にギリギリ待ち合わせ場所の学校へと到着!
ちなみに家から学校の校庭までは約5秒で行けちゃうぜ!
空飛「お前が最後な。いいだしっぺのくせに随分調子がいいなぁ?」
串刺「なっ、俺ピッタリに来たぞ!?」
病院「集合は5分前、これ常識アルヨ!」
炊飯器「私こいつについて行くのが不安になってきたわ・・・」
寂「ああ、皆さんお願いしますよ!藤美の為なんですから!」
しょっぱな文句ばっかりだなオイ・・・正直言って俺も不安だ。
皆休みなだけあって私服のオンパレードだな。勿論俺もだが。
空飛「にしても倍増、お前私服も女っぽいな」
寂「ぅええ!?ちゃんとした男物ですよー!」
炊飯器「初め見た時藤美かと思ったわ」
病院「街でナンパとかされないノ?」
寂「・・・されますけど・・・」
串刺「もうそんなフリートークしてる場合じゃないだろっ!藤美だろ藤美!」
空飛「ああそうだったな。で、藤美は部屋に居たのか?」
串刺「ん?知らん」
炊飯器「・・・・」
寂「・・・・」
病院「さっさと見てきなさいヨ!」
串刺「はいぃっ!!」
ああもう俺のバカバカバカーッ!何であんなに気になってたのに確認しないんだよっ!?
急いで藤美の部屋のドアノブを回す。が、鍵がかかっているようだ。
俺は声をかけてみることにした。
串刺「藤美、いるかーっ?俺だ、串刺だ!」
・・・やっぱりいないらしい。静けさが俺の胸に突き刺さる。
思えばこんな静けさは今までに無かったかもしれない。ああ、母ちゃーん!!
とまぁ冗談はさておき、俺は現状報告をするために学校の門に戻る途中でコケた。
寂「く、串刺さん、大丈夫ですかっ?」
串刺「OH、ドントウォーリーネー」
炊飯器「私帰りたくなってきたわ・・・」
病院「藤美のためなんだからしょうがないわヨ。ねぇ空飛?」
空飛「何故俺に振る」
串刺「あらあら照れちゃって、まー可愛いわねぇ円盤ちゃん♪」
空飛「黙れクソコンドル」
串刺「はいごめんなさいマジで!マジで!」
炊飯器「(・・・コンドルって関係無くない?)」
病院「(そこはあえて流してあげるのが優しさってもんヨ)」
寂「あ、あのーぅ・・・」
空飛「で、思い当たる場所は?」
寂「カナリヤ喫茶店って所があるんで、多分そこにいるかと思います」
炊飯器「・・・カナリヤを飼っている喫茶店な訳?」
寂「いえ、そういうわけでは無いんですが・・・とにかく行きましょう?」
串刺「OHカナリーヤー、マンマミィアー!」
病院「・・・・・で、どっちヨ?」
寂「あ、こっちです」
ぐはっ!軽く流されたぜぇえええい!!くっ、今日は強敵ばっかりでしんどいな!これならまだ母さんの方が良かった気が・・・!
やっぱり若さって凄い物なんだな!!よし、俺もハジケまくるぜ!!
俺達は寂の案内でカナリヤ喫茶店があるらしき大通りに出た。ハ、ハトがいっぱいだ・・・!!俺、食われるんじゃ!?
空飛「・・・ハト、多くないか?」
寂「あは、餌をあげる人が絶えなくて」
炊飯器「いや、笑い事じゃないでしょこの数・・・」
病院「で、カナリヤ喫茶店って何処なのヨ?」
寂「こっちです」
・・・ヤバイ!俺セリフ全部取られとるー!!!どうしよう、俺がいなくてもこれ勝手に進むYO!全然ハジケられないし!
ああもう店内入らないでハトと戯れてようかな・・・どうせ俺なんて―って俺がいいだしっぺなんだよ!ここで挫けちゃ男が廃る!・・・ハズ。
っと、どうやら知らず知らずの内にカナリヤ喫茶店に入っていたらしい。
寂「えーと藤美・・・」
男「オイあんた、その女かばったって何もいい事なんかねーぜ?」
男2「そうそう。俺たちがボッコボコにしてやるからな?」
見るからに悪そうな連中が隅で赤毛の男と対立している。あの赤毛、どうも焼男っぽいんだが・・・
その男の後ろにもう1人誰かが居るようだが、よく見えない。
?「へーぇ、できるならやってみたら?ま、俺に勝てる奴なんてこの世にいないと思うけど」
男「んだとゴラ?」
?「何か言った?言ってたとしても聞いてやんないけどね」
男2「黙っていれば調子に乗りやがって!」
?「黙ってた?違うね。返す言葉が無かったんだろ?ホラ、また図星だ。
言葉でねじ伏せられない奴なんかが、この俺に勝てるわけが無いよ」
男「んじゃ試してみるか!?アァ!?」
男2「後で泣きわめいても知らねーぞ!!」
?「ああ、いくらでも見せてあげるよ?俺の華麗なよけをね」
男「そんじゃぁ、お望み通り行かせてもらうぜっ!」
悪そうな男が赤毛に右手のパンチを繰り出した!しかし赤毛はそのパンチを横に受け流し、男は崩れるように倒れていった。
なんだアイツ!?めちょくちょ強え!あ、間違えた!めちゃくちゃ強え!
?「ああ、ごめんね。あまりに予想外なヘボさだったから、
よけるエネルギーがもったいなくて」
男2「あ、兄貴っ!?」
男「くそっ!ずらかるぞ!」
そう言うと悪そうな奴らは猛ダッシュで店の外へと出て行った。
すると男の後ろに隠れていた奴が出て・・・ってあれは!
空飛「藤美っ!」
一升「あっ、皆さん!?」
?「お友達かな?」
病院「久しぶりネ、旗空」
旗空「ああ、久しぶりだね、行夜ちゃん」
串刺「旗空って、焼男の兄さんの?」
病院「ええ、そうヨ」
串刺「はじめまして。俺、串刺元気太郎って言います。」
旗空「はじめまして。君の話は焼男から聞いているよ。とても面白いとか」
寂「それより藤美、大丈夫?」
一升「あ、うん。旗空さんが守ってくれたから」
炊飯器「取り合えず無事で何よりよねー」
空飛「これで終わったわけじゃないだろう。C組の賭け事はまだ続いているんだぞ?」
旗空「C組・・・懐かしい響きだね」
串刺「俺等、C組をぶっ潰そうと思ってるんです!」
炊飯器「いつから?」
旗空「それはまた随分とチャレンジャーだね」
串刺「それで、突然ではありますが手伝ってくれませんか!」
病院「は!?アンタ何言ってんのヨ!?」
旗空「・・・それによるメリットは?」
空飛「C組を潰した事による英雄扱い、人気・高感度UP・・・少なくともデメリットは無いように思えるんだが」
旗空「内容は?」
串刺「今みたいに何とか挑発してボスとの一対一に持ち込んで、
勝ったら賭け事をやめるという条件をつけさせるつもりです!」
寂「いつ考えたんですか、それ・・・」
串刺「今!」
俺はグッと親指を立ててかっこよく決めた!
皆の周りには『やっぱりね』という空気が立ち込めている。お客さんを裏切らないのが俺のポリシーだ!
・・・ごめん嘘。
旗空「とっさに考えた割にはいい案だね・・・それは明日決行かい?」
串刺「はい!やるなら早い方がいいですから!」
旗空「僕一人でやればいいんだね?」
串刺「ハ、ハイ!一応俺等もついては行こうと思いますけど・・・」
旗空「・・・分かった。明日の朝、授業開始より40分早い7時40分に3年C組前に集合しよう」
げ・・・そんなに早くかよ!?
うう、起きられるかな、俺・・・凄い心配になってきたぞ・・・
炊飯器「そんなに早くにやるの!?」
旗空「C組はそれよりも前に集合しているはずだからね。来るのはここにいる全員?」
空飛「俺たちはいいが・・・一升はどうする」
一升「い、行く・・・倍増も行くよね?」
寂「はい!もちろん行きます!」
倍増がそう言うと、店内に一人の赤毛がやって来た。
あ、あいつは・・・!
空飛「・・・焼男?」
透須戸「兄貴!話がちげーだろ!どうしてここに居んだよ!?
・・・てかなんで串刺達まで居るんだ・・・?」
串刺「や、焼男!」
旗空「色々とあってね。明日C組に乗り込む事になったから」
透須戸「・・・話が見えないんだけど」
串刺「話は見えない物だからな!」
病院「そういう意味じゃないでしョ」
串刺「まぁ、かくかくしかじかって事なんだよ!」
透須戸「そうか分かったって分かるか!!
漫画じゃねーんだからちゃんと説明しろ!」
串刺「小説でもあるぞ!」
透須戸「そういう問題じゃねぇ!」
炊飯器「あんた達、仲いいわね・・・」
病院「ホントね・・・」
透須戸「このままじゃいつまでたっても終わらねぇ、円盤、つまりどういう事なんだ?」
空飛「よし、じゃあ細かい所まで入れた特大版で話そう」
透須戸「俺をいじめるな。手短に話せ」
空飛「まぁつまりC組の賭け事に皆うんざりしているからここで決着をつけようとしていたら
偶然お前の兄貴に出会ってな、その腕を見込んでC組撃退をお願いした」
透須戸「の、乗ったのかよ・・・」
旗空「面白い話には乗らないと損だろう」
串刺「と言う訳で、明日7時40分に3年C組前に集合だから、焼男も来いよな!」
透須戸「あー・・・ハイハイ・・・」
炊飯器「何そのいかにもかったるいって感じの顔は」
透須戸「どうせ兄貴のカッコイイシーンでも見て終わりなんだろ?」
病院「ああ、分かった。旗空に嫉妬してるんだヨ」
旗空「まさに月とすっぽんの差だからね」
透須戸「るせぇクソ兄貴ぃ・・・」
串刺「あ、照れてる照れてる」
透須戸「泣くぞ!?」
空飛「おお、泣け泣け。俺がこのハイテクビデオでテープに収めてやる」
炊飯器「永久保存版ね。いい気味だわ、ホラホラ泣きなさい」
透須戸「・・・死にたい・・・」
ああ、いじけてしまった。
そもそも焼男ってこんなキャラだったか。自分で自分の墓穴掘っちゃうタイプだな。
空飛まで楽しそうにしてるし・・・このイジメ問題は刈男が先生として解決せねば!・・・無理だろうな。
病院「ちょっと、やり過ぎヨ・・・」
寂「皆さんやめてあげてくださいよ!」
一升「焼男さん、可哀想ですよ・・・」
炊飯器「はいはい・・・もうちょっとやりたかったんだけどなぁ」
空飛「ま、お遊びはここまでとするか」
串刺「こ、怖・・・」
旗空「それじゃあ、僕等はこれで」
透須戸「ちょ兄貴っ!そ、そんじゃな!」
そういうと焼男とその親分・・・いや兄貴は足早に去っていった。
炊飯器「あっ・・・」
病院「行っちゃったヨ」
空飛「ふー・・・じゃあ帰るか?」
寂「そうですね」
炊飯器「いじめがいのある奴も居なくなっちゃったしね〜♪」
串刺「怖いなオイ・・・」
空飛「じゃ、解散〜」
一升「皆さん、ありがとうございました。では・・・」
炊飯器「マスター、今度は冷やかしじゃなくてお客さんとして来るわっ!」
病院「また明日ネー」
寂「それじゃあ串刺さん、明日7時40分に集合ですからねー!」
ああ、明日7時40分だったんだっけ!やべぇ忘れてた。
くぅう・・・帰って寝よ・・・まだ11時だけど・・・
そんなこんなで俺はマイホームに帰宅した。
続く
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第三節 決行へ
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